日本原子力発電(原電)が敦賀原発2号機(福井県)の新規制基準に基づく審査に使う地質データを無断で書き換えていた問題で原子力規制委員会の審査会合が2月14日に開かれ、原電の考え方について説明がありました。
会合は原電の要望で開かれました。原電の和智信隆副社長は「記載の仕方の考え方の違いが明らかになった」などと弁明したのに対し、規制委は「(今日の説明は)ムダだった」と述べた上で、ボーリング調査結果について新たな書き換えも見つかり、「審査資料の信頼性に疑問が生じた」と指摘。調査を行ったコンサルタント会社の元データの提出を要求しました。
無断書き換えは7日の審査会合で発覚。2012年に実施したボーリング調査結果の記録で、18年11月の審査会合で「未固結」と記載されていた地層が、「固結」と変更されていました。
資料は断層が活断層かどうかを判断する内容。原電は別の方法による観察結果を踏まえて記述を書き換えたといいます。
14日の会合で規制委は、15年に行ったボーリング調査結果の記述でも書き換えがあったと指摘。規制委によると、これら以外に、書き換えは十数カ所に上るといいます。
敦賀原発の地質関係の審査資料については、昨年、1100カ所以上の記載の不備が見つかり、資料の信頼性に疑問の声が上がっていました。
同原発をめぐっては、規制委の調査チームが15年3月に報告書を出し、2号機原子炉直下を通るD―1破砕帯(断層)が、敷地内を通る、第一級の活断層とされる「浦底(うらそこ)断層」と連動する可能性があると判断。原電は審査で活断層ではないと反論しています。新規制基準は活断層の上に重要施設を建てることを禁じており、原電は廃炉を迫られています。
(「しんぶん赤旗」2020年2月15日より転載)