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「赤旗」創刊92周年に寄せて・・原子力発電に反対する福井県民会議共同代表委員 中嶌哲演さん

原発の危険性 報道続ける

 長年、原発ゼロを求め続けてきて感じるのは、マスメディアの報道のあり方に問題があるということです。原子力村や原子力行政の本質が批判的にきちんと報道されてこなかった。しかも、どんなに大きな集会があっても、ほとんど報道されません。推進する側の自民党や安倍さんの言説ばかり報道されます。原発を批判している人たちの声や動きがあまり伝えられていません。

 そういう中で、「しんぶん赤旗」は地道に一生懸命やっている原発批判の運動を報道しつづけている点がいい所です。

 福島第1原発事故直後は、原発の危険性を含めて多くの報道がありましたが、8年、9年とたつほどに、そういった報道は少なくなっています。特に、背景を掘り下げたものが少なくなっていて、原子力村や原子力行政が再稼働に向けて暴走している温床になっていると思います。

 原発の息の根を止めるには、原発の電力を享受してきた大都市圏の人びとの認識がもっともっと深まり、声がもっともっと強まっていくことが必要です。

 地方に危険を押し付け都市の電力をまかなうことや、将来世代に問題を先送りし続けている使用済み核燃料の問題など、倫理の問題です。科学技術や政治、経済からの分析に加えて、倫理的な分析を展開することを期待します。

(「しんぶん赤旗」2020年2月3日より転載)