四国電力の長井啓介社長は1月27日、伊方原発(愛媛県伊方町)でトラブルが相次いだことを受け、同県の中村時広知事に謝罪しました。会談後、長井社長は広島高裁で出た原発差し止め仮処分への異議申し立てについても、一時的に見送る考えを示しました。
伊方原発3号機は、昨年12月から定期検査で停止しましたが、今年に入り、トラブルが続いています。1月12日には原子炉からの核燃料取り出し準備作業中に制御棒1体を誤って引き抜き、15日に法令報告として原子力規制委員会に報告。20日には、使用済み燃料プール内で燃料集合体をクレーンで移動する際、燃料をラックの枠にひっかけ燃料の落下を知らせる警報が発信。25日には停電が発生し、発電所への外部からの電力供給が止まり、3号機への送電は、非常用ディーゼル発電機に切り替わるまで10秒程度停止しました。
原因は調査中です。同日夕に四国電は、定期検査を一時中断させました。
一方、17日には広島高裁が3号機の運転を差し止める仮処分決定を出しています。
地元では日本共産党愛媛県委員会や超党派の県議、市町議計28人がトラブルの原因究明と廃炉を求める申し入れを四国電などにしていました。
運転自体が問題・・廃炉に
伊方原発をとめる会の松浦秀人事務局次長の話
四国電力の伊方原発3号機は17日の広島高裁による仮処分決定で、地質調査などが不十分だと指摘されています。本来なら運転すること自体が問題です。この間、伊方原発では深刻なトラブルが相次いでいます。四国電力に原発を扱う資格や能力があるのか、なにか深刻な問題があるのではないかと疑問に感じます。四国電力は(運転を差し止めた)高裁決定への不服申し立てを、当面、見送るのではなく、そのまま原発を動かさず、廃炉にすべきです。
(「しんぶん赤旗」2020年1月28日より転載)