関西電力の幹部らに福井県高浜町の森山栄治元助役(3月に死去)から「原発マネー」が還流していた疑惑で10月5日、野党の「関電疑惑追及チーム」が現地調査をしました。日本共産党の藤野保史、清水忠史両衆院議員と立憲民主党、国民民主党、無所属の衆参議員が参加しました。
現地調査に先立ち関電本店(大阪市)を訪問し、国会審議と野党合同ヒアリングへの出席の協力を要請しました。関電側は「対応できる者がいない」(警備員)と面会を拒否。議員らから「不信感が強まった」との声が上がりました。
高浜町では、共産党の渡辺孝町議が案内役として同行。高浜原発を敷地外から視察し、森山元助役に3億円を渡したとされる吉田開発が施工した町立中央体育館の駐車場などを調査しました。同工事は国の電源立地地域対策交付金が使われています。
高浜原発に近い音海区では、元自治会長の児玉巧さん(72)が「森山氏は関電と一体だと認識していたが、金品を渡していたことは知らなかった。原発を推進する関電が森山氏を利用してきた面もあるのでは」と語りました。
吉田開発が東京電力福島第1原発事故後の安全対策工事や原発交付金事業で急成長してきたことを説明した渡辺町議に対し、「交付金の流れの解明が求められる」との意見も出されました。
調査後に藤野氏は「関電の企業体質に疑念が持たれている。関電幹部を国会に招致する必要があり、こうした状況で再稼働を進めることは許されない」と述べました。
(「しんぶん赤旗」年10月6日より転載)