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東電 東通村に寄付検討・・賠償渋る一方、原発新設「全力」

 福島第1原発事故の賠償などのため国費投入をうけた東京電力ホールディングスが、青森県東通(ひがしどおり)村に寄付を検討していることが3月29日、分かりました。東電は、福島県の住民らが申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)の和解案を拒否するなど、被害者への賠償を出し渋っています。その一方で同社の原発新設計画がある東通村を支援する姿勢に厳しい批判が出ています。

 東通村は本紙の取材に「東電だけでなく、さまざまな企業に地方創生事業への協力を呼びかけた」と回答。東電は、同村から要請があったことを認め、「検討していることは事実」と述べました。

 東電は東通原発1号機(138万5千キロワット)を2011年1月に着工したものの、福島原発事故後に中断しています。28日に東電は唐突に、東通原発を「全力で進めてまいります」と青森県内の体制を強化する計画を公表。計画では「事業を推進するとともに地域への貢献等を検討、実施」するとしています。

被災者ないがしろ

 原発問題住民運動全国連絡センター・伊東達也筆頭代表委員の話 東通村への寄付の話は、東海第2原発(茨城県東海村)に1900億円を資金援助する計画に続き2件目です。福島県では3・11から8年たっても自宅に戻れない人が約10万人います。しかし東電は損害賠償を求める裁判で責任を認めず、ADRの和解案も拒否し、被災者支援を投げ捨てています。被災者をないがしろにしながら新たな原発建設のため金を出すなど全く道理にあわず、やめさせなければなりません。言語道断で、怒りでいっぱいです。東電を管理している国も止めるよう強く求めるべきです。

(「しんぶん赤旗」2019年3月30日より転載)