参院資源エネルギー調査会で2月27日、「資源エネルギーの安定供給」についての参考人質疑が行われました。
京都大学大学院の安田陽特任教授は、世界の再生エネルギー導入の流れに言及し、電力の費用対便益(発電費用対国民全体への利益)や外部コスト(環境汚染、健康被害、気候変動などの損失)を具体的に試算すべきだと指摘。世界全体で再エネに必要な毎年30兆円の投資を惜しむと年120兆~470兆円の損害が発生するとの国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の試算を紹介しました。
山添拓議員は、日本で再エネ導入を阻む最大要因は何かと質問。安田氏は「世界中で開発されている新しいテクノロジーに対し、日本も早くルール変更しようという議論が欠けている」と述べました。
山添氏は、昨年9月の北海道胆振東部地震で北海道電力苫東厚真石炭火力発電所の3基がすべて停止したことが全道停電につながったとして、分散型への転換が必要だと指摘。大規模集中発電の原発は電力の安定供給に優れているとはいえないとして、参考人の見解を求めました。
横浜国立大学大学院の大山力教授は、同発電所が全道の半分を担っていたのは大きすぎたと指摘。原発事故が全道停電につながる可能性もあるとして、「泊(原発)が動いていたら楽になる(安定供給できる)ということはなかったことは確かだ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2019年3月2日より転載)