原子力規制委員会は11月21日、大山(鳥取県)の約8万年前の噴火(大山生竹噴火)について、関西電力が福井県にある高浜、大飯、美浜の各原発の審査で示していた噴出量1・1立方キロメートルの約10倍の規模であるとする評価を示しました。
会合後の会見で、規制委の更田豊志委員長は「噴出量が大きく引きあがった。想定が変わったので、これまでのバックフィット(既存施設への適応)にならったような扱いになると思う」と話しました。
規制委の委託研究で、京都市左京区越畑(こしはた)地区に大山生竹噴火由来の火山灰層厚が30センチと報告されたことを受けて、規制委は昨年(2017年)、関電に情報収集を依頼。関電は越畑地区の生竹噴火火山灰は再堆積のため層厚を評価できないと回答し、議論が続いていました。
今回、規制庁は、関電の新たなデータや現地調査をふまえ、越畑地区での火山灰層厚を25センチ程度と評価。さらに文献調査の結果も踏まえて、噴出量を変えて降灰シミュレーションを実施。その結果、噴出量12・2立方キロで実施した場合、各地点の火山灰層厚をおおむね再現できたとしています。越畑地区は大山火山からの距離が、高浜原発、大飯原発、美浜原発と同程度です。
福井県内の3原発の審査において、関電は、生竹噴火の噴出量が5立方キロの噴火を想定したシミュレーションを実施し、その結果などから、各原発とも火山灰の堆積層厚を10センチとして影響を評価。規制委もこれを了承していました。
(「しんぶん赤旗」2018年11月22日より転載)