中国電力が山口県上関町田ノ浦を埋め立て、上関原発をつくろうとしている問題で、上関の自然を守る会(高島美登里代表)など4団体は6月19日、建設中止を求めて5月中旬から始めた署名3万6303人分を経済産業省に提出し、参院議員会館で集会を開きました。
署名は同団体と、原発に反対する上関町民の会、上関原発を建てさせない祝島島民の会、原水爆禁止山口県民会議が呼びかけて行ったもの。カンムリウミスズメ、スナメリなど希少な生き物が暮らす“奇跡の海”、田ノ浦を壊すなとして、▽上関原発建設中止▽国のエネルギー政策に「新規立地計画中止」を盛り込むことを求めています。
署名を受け取った経産省の担当者は「現段階で原発の新増設は考えていない」と述べました。「守る会」の高島代表が「政府のエネルギー政策の中で上関原発の扱いが決まっていく。山口県知事は埋め立て許可期限を延長しており、油断は禁物。100年後の未来の子どもたちに豊かな自然を残したい」と訴えました。
日本共産党の仁比聡平参院議員が参加。「野党共同で提出した原発ゼロ法案の成立へ全力を尽くす」とあいさつしました。
上関原発計画 中国電力が山口県上関町の沖合約14万平方メートルを埋め立てて2基(ともに熱出力137・3万キロワット)をつくる計画。11年の東日本大震災、東京電力福島第1原発事故により工事は中断しましたが、16年8月に村岡嗣政(つぐまさ)山口県知事が埋め立て許可を19年7月まで延長しています。
(しんぶん「赤旗」2018年6月20日より転載)