東京電力の小早川智明社長は6月14日、福島県庁で同県の内堀雅雄知事と会談し、東日本大震災以来停止中の福島第2原発(同県楢葉町、富岡町)の全4基について、廃炉の方向で具体的な検討に入る意向を初めて表明しました。県内全59市町村議会をはじめ県議会も廃炉を再三求めてきました。県民からは「遅きに失したとはいえ、県民が追い詰めた結果だ」との声が上がっています。
東電社長の方針表明で、福島第1原発(同県大熊町、双葉町)も含めて計10基あった同県内の原発は、全て廃炉となることが固まりました。
同日の会談で、内堀知事が福島第2原発の廃炉を早期に決めるよう求めたのに対し、小早川社長は「このままあいまいな状況を続けること自体が復興の足かせだ。これから具体的な検討に入る」と述べました。廃炉の具体的なスケジュールになどは、今後調整を進める方針です。
これまで東電は、福島県や同県議会が再三廃炉を求めてきた福島第2原発の扱いについて、「国のエネルギー政策を見て判断」などと明言を避け、国も「東電の経営判断だ」との姿勢でした。
福島第2原発 東電福島第1原発から約12キロ南の福島県楢葉町、富岡町に立地。1~4号機まであり、計440万キロワット。1号機の営業運転は1982年。東日本大震災で4回線ある外部電源のうち3回線が使用不能になるなど、一時危機的な状況に。震災以降、運転停止の状態で、使用済み核燃料プールに1万体の核燃料が保管されています。
(「しんぶん赤旗」2018年6月15日より転載)