東京電力福島第1原発の汚染水タンクにたまり続けている高濃度のトリチウム(3重水素)を含む放射能汚染水の処分方法をめぐって、経済産業省の小委員会が5月18日の会合で、国民の意見を聞くための公聴会を夏ごろに開催することを決めました。開催場所など詳細は今後検討します。
公聴会では、汚染水を処分をした場合の風評被害など、社会的影響についての懸念など国民の意見を聞きたいとしています。
同原発では、日々増え続ける汚染水を処理していますが、処理装置では除去できないトリチウムを含む大量の汚染水がタンクに増え続けています。処理途中のものを含めると現在100万トン超。政府は処分方法について検討してきました。
この日の会合では、海洋放出や地下への埋設、水蒸気として放出するなど処分方法ごとに、漁業、農業、観光などへの影響を整理。委員からは、処分方法を決める時期やタンクにため続けることも検討すべきだという意見が出されました。
同日開かれた原子力規制委員会の検討会では、東電が2020年中にタンク容量を計135万トンまで増設する計画を提示。東電は「いつまでもため続けられるわけではない」とする一方、タンクの限界が来る時期は示しませんでした。
(「しんぶん赤旗」2018年5月19日より転載)