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“対策とれば原発事故起きず” ・・東電刑事裁判 島崎東京大学名誉教授が証言

 東京電力福島第1原発事故で、業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3人の第11回公判が5月9日、東京地裁(永渕健一裁判長)であり、2002年7月に公表された政府機関の地震予測「長期評価」をまとめる部会長などを務めた島崎邦彦東京大学名誉教授(地震学)が証言しました。島崎氏は「長期評価」を踏まえた対策をしていれば「かなりの命が救われただけでなく、福島原発事故は起きなかったと思う」と述べました。

 文部科学省地震調査研究推進本部(地震本部)で「長期評価」をまとめる部会の部会長などを務めた島崎氏は、経緯を詳しく証言。三陸沖北部から福島県沖を含む房総沖の海溝寄りのどこでも、マグニチュード8クラスの津波地震が今後30年以内に発生する可能性が20%とした「長期評価」は、「十分注意すべき大きさの確率だ」と指摘。

 公表前に防災担当の内閣府から「公表すべきではない」と圧力を受け修正を求められた際に「反対だ」と意見を述べたことや、国の中央防災会議が「長期評価」とはまったく異なる内容の地震予測を「強引に」発表したことを語りました。

 11年3月、事故の2日前に、東北地方で陸地の奥まで浸水する津波を評価した内容を公表する予定だったのに、「電力会社に説明したい」などと4月に公表延期をいわれ、了承したことにも言及。「了承しなければ、たくさんの人が助かったかもしれない」と述べました。

(「しんぶん赤旗」2018年5月10日より転載)