高速増殖原型炉もんじゅ（福井県敦賀市）の半径250キロ圏に住む１０５人が国に原子炉設置許可の取り消しなどを求めた訴訟の口頭弁論が５月７日、東京地裁（古田孝夫裁判長）であり、原告側か訴えの取り下げを申し立てました。原子力規制委員会が３月、もんじゅの廃炉計画を認可したため。国側は取り下げに同意する見通しで、訴訟は終結します。

　記者会見した原告弁護団の河合弘之共同代表は「廃炉が決まり勝訴的な取り下げだ。ただ、国は核燃料サイクル政策を維持しており、中止に追い込みたい」と話しました。

　もんじゅは使用済み核燃料の再利用を目指す核燃料サイクルの中核施設に位置付けられ、１兆円以上が投じられましたが、トラブルが多発。2016年に廃炉が決まりました。廃炉は作業完了まで30年かかるとされます。

（「しんぶん赤旗」2018年5月8日より転載）