東京電力は25日、原子力規制委員会と東電の川村隆会長、小早川智明社長らが先月、福島第1原発の廃炉や柏崎刈羽原発の問題で意見交換した際に、規制委から求められた文書での回答を提出しました。
規制委から迫られた、トリチウム(3重水素)以外のセシウムなどを取り除いた処理済みの汚染水の取り扱いなどについて、具体的な言及はありませんでした。
提出したのは小早川社長名の文書。「廃炉の過程には、処理水をどう取り扱うのか、放射性廃棄物をどう処分するのか、などの課題があると認識しています」として、風評被害に対する行動計画を作るなどとしています。
規制委は先月10日、川村会長、小早川社長らと意見交換。「福島第1原発の廃炉を主体的に取り組み、やりきる覚悟と実績を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原発の運転をする資格がない」などとした7項目について、規制委は「主体性がみえない」「県民と向き合っていない」と指摘し、福島第1原発の汚染水処理や柏崎刈羽原発の安全確保への東電の姿勢をただしました。
川村会長や小早川社長らの意見に対し、田中俊一委員長らは「言葉だけになっている」「きちっとした対応が聞けていない」とし、文書で回答を求めていました。
(「しんぶん赤旗」2017年8月27日より転載)