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排気筒に新たな破断・・福島第1原発 倒壊の危険懸念

 東京電力は4月6日、臨時点検で福島第1原発の1、2号機原子炉建屋そばにある主排気筒(高さ120メートル)に、新たな破断箇所が見つかったと発表しました。この排気筒では2013年に破断や変形が計8カ所見つかったほか、鋼材の腐食による強度不足も指摘されており、地震などによる倒壊の危険性が懸念されています。

 東電によると、新たに見つかった破断箇所は、排気筒の鉄塔の高さ45メートル付近にある斜材接合部。同日、1、2号機タービン建屋屋上から望遠カメラで撮影しました。

 この排気筒の点検は5回目。これまでの撮影位置からは排気筒の東側の下半分が死角になっていましたが、タービン建屋屋上のがれき撤去が進み、今回の場所からの撮影が可能になったといいます。

 東電は、新たな破断箇所について「ただちに排気筒全体の倒壊危険性が増すものではないと推定している」と説明しています。

 すでに見つかっていた破断・変形は高さ66メートル付近に集中しています。東電は昨年4月、排気筒の上半分を解体する作業を2017年度に着手する方針を明らかにしていますが、今回の破断箇所がそれより下であることを踏まえて、方針の変更が必要かどうか検討するとしています。

 原子力規制委員会から求められている倒壊のリスク評価が未回答である状況を会見で問われ、東電は「他のリスクが高いところからつぶしている」などと釈明しました。

(「しんぶん赤旗」2017年4月7日より転載)