原子力規制委員会の田中俊一委員長は、2月12日の会見で、政府のエ一ネルギー基本計画の原案にある「原子力規制委員会によって安全性が確認された原子力発電所について再稼働を進める」という表現に対し、「安全を確認したという言い方は必ずしも正しい表現だとは思っていない」と発言しました。
田中委員長はまた、「私どもは絶対安全とかそういうことは申し上げていないわけです。今回の規制の基本的考え方として、リスクが常に残っているというのをベースにして」いると指摘。「再稼働するかどうかは、国民とか社会とか、政治も絡むかもしれませんけど、そういうところの判断になる」と述べました。
審査認可前に意見募集も・・規制委
原子力規制委員会の田中俊一委員長は2月12日記者会見で、規制委が進めている原発の審査につて、審査の結論を出す前に、公聴会や一般から意見募集などを行う方針を示しました。
田中委員長は審査の状況について「ある程度大きなポイントが絞られてきた」と説明。「国の意見をくんで最終的な観点から広く意見を聞いて、斟酌(しんしやく)に値するものがあればちゃんと取り入れる」と述べました。
北側護岸地下水 トリチウム上昇・・福島第1・1号機
東京電力は2月11日、福島第1原発の1号機取水口北側の護岸の地下水から、この地点での過去最高値となる、1リットル当たり7万6000ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。
地下の下層(砂岩層)まで掘り下げた観測孔(O-3-2)から6日に採取したもの。これまでの最高値(同7万3000ベクレル)を上回りました。
1号機北側のトリチウム汚染をめぐっては、1月24日に開かれた原子力規制委員会の作業部会の会合で、1号機タービン建屋から、高濃度の放射能汚染水が漏れ出した地下の深い場所で汚染が拡大している可能性が指摘されています。