地元住民が人権侵害を訴えているインドネシアの石炭火力発電所建設事業について、日本政府が100%出資する国際協力銀行(JBIC)は6月3日、約21億ドル(約2200億円)の融資を決定しました。決定を受け、国際環境NGO「FoE Japan」など日本の市民団体は6日、都内のJBIC本店前で融資撤回を求める緊急抗議アクションを行いました。
JBICが融資するのは、インドネシア・バタンに巨大な石炭火発を2基建設する事業。日本の電源開発と伊藤忠商事が出資する現地法人が事業実施者となり、3メガバンクはじめ多くの日本の銀行が協調融資します。融資額全体の約6割をJBICが占めます。
JBICは、同事業について安倍晋三政権の「インフラシステム輸出戦略」にも合致するとしています。
現地では、土地売却を拒んだ農民の農地がフェンスで囲われ収穫できなくなるなど、深刻な人権侵害が横行。インドネシアの国家人権委員会も人権侵害の事実を認め、是正を求めていました。大気汚染の被害も懸念されています。
「FoE JAPAN」の波多江秀枝さんは「現地住民の声に真剣に耳を傾け、即刻融資を取り消すべきだ」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2016年6月7日より転載)