東京電力福島第1原発事故で避難を強いられている福島県民への住宅支援の打ち切りが来年3月に迫るなか、支援継続を求める集会が6月4日、東京都内で開かれました。「原発事故被害者の救済を求める全国運動実行委員会」などの主催です。
現在、福島県からの避難者については、災害救助法に基づき自治体が公営住宅や民間住宅を借り上げ「みなし仮設住宅」として無償提供しています。
福島市から京都府に避難している宇野朗子さんは、母子だけで避難している人や、家族が別々に暮らす「二重生活」を送る人も多いと指摘。事故から5年がたった今も「避難者の生活は困窮している。住宅提供は命綱です」と訴えました。
都の職員が避難者を個別に呼び出し、都営住宅などから退去を迫っている事例も報告されました。
「FoEJapan」の満田夏花さんは、政府が来年3月までで避難指示を次々と解除し、賠償も翌年打ち切ることに「避難者の存在を消そうとしている。人間不在の復興だ」と批判しました。
同会ではこの間、住宅無償提供の継続を求め、強制帰還に反対する署名約32万人分を国へ提出。現在、3期目となる署名を呼びかけています。
(「しんぶん赤旗」2016年6月5日より転載)