衆院経済産業委員会は5月11日、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)を定めたFIT法改定案を採決し、自民、公明、民進などの賛成多数で可決しました。
日本共産党は再生エネルギー発電との接続義務規定の削除などにより、逆に再エネ導入を抑制しかねないとして独自の修正案を提出。修正案は、送電網を維持運営する一般送配電事業者に対し、再エネ発電を送電線に接続する義務を引き続き課し、新たに送電系統の拡張義務などを盛り込んだもの。同案は賛成少数で否決されたため、日本共産党は政府案に反対しました。
採決に先立つ質問で日本共産党の真島省三議員は、2012年7月の同制度導入後も、再エネの導入割合が3%にすぎないのは接続義務が果たされていないからだと述べ、電力会社が接続に必要な設備投資を行ってこなかったと指摘。資源エネルギー庁の多田明弘電力・ガス事業部長は設備投資が増加していないと認めながら「接続義務を果たしてきた」と強弁しました。
真島氏は、大分県九重町や由布市で、小水力発電計画が、九州電力の送電系統の容量不足を口実に事実上ストップしている事実を突きつけ、地産地消の小規模・分散型電源を後押しするためにも送電網の増強を義務づけるよう提案。林幹雄経産相は再エネ拡大には「送電網の増強は重要だ」と認め、広域機関と全国的な整備をすすめると述べました。
(「しんぶん赤旗」2016年5月14日より転載)