市民団体の原子力市民委員会は3月31日、「電力自由化における原子力発電の問題点〜原発ゼロ電気は選択できるか」と題する声明を発表し、東京都内で記者会見をしました。声明は、4月1日からの電力小売り全面自由化のもとで「原子力発電介護策」ともいえる国の政策を指摘しています。
政府は、電力自由化のもとで原発を継続させるために保護策を講じ、原発で発電した電気を再生可能エネルギーの電気よりも優先的に利用することを定めています。
会見した原子力市民委員会座長代理の大島堅一立命館大学教授は、「原子力も他の電源と同じ条件で競争すべきで、保護は電力自由化の趣旨に反している」と批判しました。
環境エネルギー政策研究所の松原弘直主席研究員は、消費者が電気を選べるようになったにもかかわらず、火力、原発、再生エネなど電源の開示義務化が見送られたと指摘。
「欧州では義務化されているため、消費者の選択が促されている」と話しました。
市民電力連絡会の竹村英明会長は、再生エネ事業者の立場から、再生エネ排除の動きを紹介。欧州各国が実現している再生エネの優先接続や優先給電が事実上放棄されていると批判しました。
(「しんぶん赤旗」2016年4月1日より転載)