関西電力は2月26日、高浜原発4号機(福井県高浜町)を再稼働させました。再稼働に反対する大多数の国民の声を無視し、地元住民の声をまともに聞かない暴挙です。福井、京都、滋賀など各地で抗議の声が上がりました。
新規制基準施行後の再稼働は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と高浜原発3号機に続き4基目で、4号機の運転は約4年7カ月ぶり。
4号機では20日、原子炉補助建屋内で、原子炉などを冷やす1次冷却系につながる配管から放射性物質を含む水が漏れたばかりです。関電は漏れた原因をボルトの緩みがあったと発表。整備の不十分さを浮き彫りにしましたが、予定通り再稼働を強行しました。
また4号機は157体の核燃料のうち、4体がウラン・プルトニウム混合化合物(MOX)燃料で、通常の原発でMOX燃料を使う「プルサーマル発電」を初めて実施します。
MOX燃料は原子炉の核分裂反応にブレーキをかける制御棒が利きにくくなるなど、より危険だと指摘されているほか、使用済みのMOX燃料は処理・処分の見通しがなく、各地で反対運動が起きています。
高浜原発の場合、避難計画が義務づけられた30キロ圏は福井、京都、滋賀の3府県が入り、約18万人が暮らします。しかし、避難先を含めた自治体が参加する避難訓練は行われておらず、計画の実効性はなんら検証されないままです。
(「しんぶん赤旗」2016年2月27日より転載)
パレード実施・・滋賀
滋賀県では180回目の「キンカン行動」が取り組まれ、約30人が大津市のJR膳所(ぜぜ)駅前から関西電力滋賀支社前までパレードし、「高浜原発、再稼働反対」と声を上げました。
ばいばい原発・守ろうびわ湖住民運動連絡会事務局の森茂樹事務局長は「高浜原発4号機は、2月20日に放射能汚染水漏れ事故を起こしたばかりだ。再稼働は許せない。3号機も稼働をやめるべきだ」と訴えました。
大津市の男性(38)は「もし過酷事故が起これば、近畿1450万人の命の水源である琵琶湖が汚染される。原発再稼働を進める安倍暴走政治を止めるしかない」と話しました。
支店前で抗議・・京都
京都市の関西電力京都支店前には、脱原発、原発再稼働中止を求める抗議行動に100人以上が詰めかけました。
参加者は「汚染水漏れ事故があった直後に再稼働とは、国民をバカにしている。40年前の技術である1、2号機も規制委員会は再稼働を了承した。許せない」と訴えに力を込めました。寒空の下、「高浜原発今すぐ止めろ」「京都は地元、勝手
に決めるな」と唱和しました。
滋賀県知事・・「容認できぬ」
滋賀県の三日月大造知事は26日、関西電力高浜原発4号機の再稼働を受け、「国全体として原子力政策についての根本的な議論や解決策の展望が見られない現状では、再稼働を容認できる環境にない」などとするコメントを発表しました。
1000万人アクション・・緊急抗議
「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」は2月26日、関西電力が同日、高浜原発4号機を再稼働することに対し、緊急抗議行動を行いました。
衆院第2議員会館前には、「高浜原発再稼働反対」と書かれたプラカードや横断幕を手にして駆けつけた参加者は「再稼働反対」「原発止めて未来を守れ」とコールしました。
あいさつした同実行委員会の富岡洋子さんは「私たちの声を聞かず、命を危険にさらす原発の再稼働・輸出を進める安倍政権のやり方は許せない。原発を止めるため声をあげ続けよう」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2016年2月27日より転載)