東京電力の柏崎刈羽原発6号機が先月再稼働し、全国では15基の原発が再稼働しました。しかし、日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)の完成の見通しが立たない中、国内の原発では使用済み核燃料がたまり続けています。「核のごみ」の矛盾を追いました。(松沼環)
全国の原発で貯蔵されている使用済み核燃料は2026年3月末現在で計約1万7120トン(福島第1原発を含む)。原発で貯蔵可能な容量の78%に上ります。各原発で空き容量がなくなれば、核燃料の交換ができなくなるため原発の運転ができなくなります。
切迫する貯蔵容量
福井県にある関西電力の3原発は、いずれも容量が切迫しています。高浜、大飯の両原発の貯蔵量は容量の約9割。このままでは、高浜原発では28年度ごろに、大飯原発では30年ごろに容量の空きがゼロになります。美浜原発3号機では29年ごろに空きがゼロになります。
関電は、各原発の敷地内に金属製の容器(キャスク)に格納する乾式貯蔵施設の設置を計画していますが、福井県に対して原発内での貯蔵容量は増やさない運用と説明しています。
福井県は以前から、関電に使用済み核燃料の県外搬出を求めていました。関電は、期限を切って県外に中間貯蔵施設の候補地を示すと約束していましたが、候補地を示せないまま期限を繰り延べしてきました。
関電が25年に示した計画では、高浜原発からの使用済み核燃料200トン(27~29年)など、関電の原発から計400トンをフランスに搬出します。美浜原発と大飯原発は28年度から六ケ所再処理工場に搬出を開始するとしています。30年ごろに操業を開始するとしている中間貯蔵施設の候補地は示されていませんが、「あらゆる可能性を組み合わせて必要な搬出容量を確保」するとしています。
先行き見えぬ計画
使用済み核燃料を処理する六ケ所再処理工場はこれまでに27回も竣工(しゅんこう)を延期し、現在は27年3月の予定です。しかし、原子力規制委員会の審査がいまも継続しており、さらなる延期の可能性もあります。工場に使用済み燃料を受け入れるプールには、現在約3000トン貯蔵され、ほぼ満杯です。
東北電力、四国電力、九州電力は、敷地内に乾式貯蔵施設を造って貯蔵容量を増やす方針。すでに施設が完成した四電の伊方原発以外は、規制委の審査中または、建設中です。
東電と日本原子力発電は、中間貯蔵施設を青森県むつ市に設置しました。同施設は、最終的な貯蔵容量は5000トンで、使用済み核燃料を最長で50年間貯蔵するとしています。
柏崎刈羽原発には、国内原発で最多の2340トンの使用済み核燃料が貯蔵され、プールの空きも切迫しています。中間貯蔵施設は、24年に柏崎刈羽原発からの燃料の受け入れを開始。今年度には345体の使用済み燃料を同施設に運び出す計画でした。
しかし、青森県の宮下宗一郎知事は今年3月末、中間貯蔵施設への26年度の核燃料の新規搬入を認めないと表明。同施設からの搬出先となっている六ケ所再処理工場の審査の状況が見通せないのが理由です。
東電と日本原電は、中間貯蔵施設に他の電力会社からの核燃料搬入を検討しています。昨年12月、他社からも搬入する事業者間連携の検討を県とむつ市に説明していますが、受け入れは不透明です。(つづく)
(「しんぶん赤旗」2026年5月15日より転載)