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海側遮水壁 閉合後に汚染水増加・・福島第1 沿岸部くみ上げで

 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、海側遮水壁の閉合後、放射能汚染水が増加していることが分かりました。1218日開かれた原子力規制委員会の検討会で、東電が報告しました。

 東電は、福島第1原発1〜4号機建屋の地下への地下水の流入を減少させるため、建屋周辺の井戸(サブドレン)から地下水をくみ上げ、浄化処理した後に排出する対策を9月から実施しています。さらに、海への汚染した地下水の流出を防ぐため、10月下旬、鋼鉄製の遮水壁を閉会しました。

 東電によると、その後、沿岸部の地下水の水位が上昇。沿岸部では、地下水の汚染が広範に確認されており、地下水のくみ上げを行っています。くみ上げた地下水のほとんどは、建屋地下に移送され汚染水を増大させています。

 サブドレン稼働で1日に300トン程度だった建屋への流入量は同200トン程度に減少しました。しかし、建屋地下に移送される水の量は1日約400トンに上り、流入量を増やしています。

 東電は、沿岸部への地下水の流入が「サブドレン稼働によって、ある程度抑制できると考えていたが、現時点ではその効果が小さい」と分析しています。

(「しんぶん赤旗」20151219日より転載)