安倍晋三首相がインドを訪問し、モディ首相と会談した12月12日、日印原子力協定締結と武器輸出に反対して市民らが官邸前で抗議集会を開きました。国際環境NGOのFOE Japanなどが呼びかけたもので、約150人が参加しました。
日印原子力協定が締結されれば日本企業のインドヘの原発輸出が可能となります。核兵器保有国であり核不拡散条約(NPT)に加盟していないインドヘの原子力技術の輸出は、軍事転用の危険があります。また、原発に反対する人々への抑圧などの問題が指摘されています。
FOE Japanの満田夏花理事は、「インドヘの原発輸出は核不拡散の体制を壊すことになり、軍拡競争に肩入れすることになる。また、原発に反対する市民の運動への弾圧が激しく、死者も出ています。輸出はそれに加担することにつながります」と指摘しました。
集会では、原発に反対するインドの市民活動家も、インターネットを通じてメッセージを寄せました。クマール・スンダラム氏は「インドでもたたかい続けていく」と述べました。参加者は「原発売るな。インドに売るな」「武器を売るな」などとコールしました。
「災害を輸出するな」・・インドでも抗議
【ニューデリー=時事】インドで12月12日、日本との原子力協定に反対する活動家らが首都ニューデリーなど各地で抗議行動を繰り広げました。ニューデリー市内で行われた抗議には数十人が参加し、「日本は原発災害を輸出するな」などと書かれたプラカードを掲げました。
ロシア製原発が建つ南部タミルナド州クダンクラムの反原発活動家、ウダヤクマールさん(55)は「日本は原爆と(東京電力)福島原発事故を経験した。放射能被害が収まっていない中、他国に原発を輸出すべきではない」と強調。「インドは洪水などの自然災害にも十分な対策を取れない国だ。原発事故に対応できるとは思えない」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2015年12月13日より転載)