東京電力福島第1原発事故から、まもなく5年になろうとしています。福島県立高等学校教職員組合女性部は、第3集『福島から伝えたいこと』(写真)を発行。「福島のいまを伝え続けたい」と広げています。
第2集発行から2年半。「5年後、10年後に見たときに記録として耐えうるものにしたいと、写真やデータを盛り込みました。記憶を記録する、これもたたかいですね」こう話すのは、編集委員長の小林みゆきさんです。生徒と卒業生、教師、福島に生きる人たちの声で構成。これまで害かなかった人に執筆を依頼しました。
「被災者は、厳しい中でもがんばらざるを得ないからがんばっているんです。文集づくりを通して怒りが新たになる」と小林さん。栄養士や養護教諭は子どもたちの健康を守る日々の努力を記し、卒業生はつらい思いを周囲と共有できないもどかしさをつづっています。
サブタイトルは「希望は闘いの中に」です。発案したのは、3月に高校を退職した大貫昭子さん。NPO法人野馬土(のまど)が主催する視察ツアーのガイドとして奔走します。
原発事故は収束していないのに、福島の事故などなかったかのように再稼働がすすめられる・・・。「福島にいると希望は見えづらい」と大貫さんはいいます。「だから、たたかわなければ未来は手に入らないし、たたかいをやめてしまったら向こうの思うつぼだという思いをこめました。福島を最後にするために、ぜひ多くの人に読んでほしいです」
1冊500円。送料は10冊まで100円、11冊以上は無料。申し込みは希望部数、電話番号、名前、住所を明記の上、メールfhtu@nifty.comまたはファクス024(521)0893で福島県立高教組まで。
(「しんぶん赤旗」2015年12月5日より転載)