日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」で、非常用ディーゼル発電機の部品をクレーンで移動中に落下させて、部品の一部を変形させていたことが、11月25日の原子力規制委員会で報告されました。
報告によると、請負業者が点検のため7月17日のディーゼル発電機の部品を取り外し、電動クレーンと新たに製作したつり具を使用して移動を実施。その際、操作を誤って0・5メートルの高さで部品を落下させ、部品の一部などが変形しました。新たなつり具の妥当性確認が行われておらず、ストッパーの位置などが適切でなかったとしています。
規制委の田中俊一委員長は、作業性の悪い構造でありながらこれまで専用のつり具がつくられていなかったことから、原子力機構について「下請け作業者任せ。いかにも自分たちが責任をもってタッチしていない、一つの証左」と指摘しました。
もんじゅをめぐって規制委は13日、運営主体の日本原子力研究開発機構を「必要な資質を有していない」と判断し、所管する文部科学省に対し、同機構に代わる適当な運営主体を示すよう勧告しています。
(「しんぶん赤旗」2015年11月26日より転載)