原発問題住民運動福井県連絡会は11月12日、原発から30キロ圏（ＵＰＺ＝緊急時防護措置準備区域）の住民が参加する広域避難と県外避難先受け入れの訓練を実施するよう県に申し入れました。「プルサーマル」発電を想定した関西電力高浜原発（同県高浜町）に対し「欠陥だらけの新規制基準に合格しても原発の危険性は変わらない」として、再稼働を認めないよう求めました。日本共産党の佐藤正雄県議が同席しました。

　連絡会の奥出春行代表委員らは、県が高浜３号機事故を想定して10月に行った訓練は住民参加の訓練ではなかったと指摘し、ＵＰＺに入る京都府と滋賀県も含めた住民参加の広域避難訓練を求めました。

　県の坪川利隆危機対策防災課長は「広域（避難）の計画は国の方で調整中」だと応えるにとどまりました。

　連絡会が「自治体の体制はできていない」と指摘すると、坪川課長は、習熟度向上のため研修を実施しているなどと答える一方、「行政機関なので、人は毎年替わる」とのべました。

　連絡会は、日本原子力研究開発機構の度重なる保守管理不備に対し、原子力規制委員会も運営主体交代の勧告を決めた高速増殖炉「もんじゅ」（同県敦賀市）の廃炉も求めるよう訴えました。

（「しんぶん赤旗」2015年11月13日より転載）