【ヘルシンキ=秋山豊】10月4日夕方にヘルシンキ入りした原水爆禁止日本協議会(日本原水協)の「ヒバクシャ遊説inヨーロッパ」北欧コース代表団は5日、「フィンランド平和連合」が開いた集会に参加しました。東京の被爆者団体・東友会の山田玲子副会長と、日本原水協の齋藤紀(おさむ)代表理事が核兵器廃絶と原発ゼロの思いを訴え、原発に反対する地元の活動家らと交流しました。
広島で11歳のときに被爆した山田さんは、原爆投下から20年後、父親が肺がんと白血病を併発してけいれんを繰り返しながら亡くなったと証言。「核兵器が存在するかぎり、みなさんも被爆者になりうるのです。一緒に核兵器も戦争もない世界をつくっていきたい」と訴えました。
日本文学の翻訳家だというマユ・サーリッツァさん(29)は、横浜にある大学への留学経験があり、自身が折った折り鶴数百羽を持って参加しました。
「学生時代、広島の平和記念資料館にも行きました。どれほどのトラウマを抱えながら生きてこられたのか。被爆者のお話は何度聞いても衝撃をうけます。核兵器も原発もいりません。私は、広島、長崎、福島を思ってツルを折っています」
福島市内にある医療生協わたり病院の医師でもある齋藤さんは、東京電力福島第1原発事故後の福島の状況を詳しく報告。地元の活動家から「フィンランド政府は、核兵器と同じように危険な原発を建設しようとしています。こんな“怪物”を造らせてはいけない」などの発言が続き、熱心に議論しました。
(「しんぶん赤旗」2015年10月7日より転載)