福島第1原発事故の収束作業に従事したことが原因でがんを発症したなどとして、札幌市に住む元作業員の男性(57)は9月1日、東京電力など3社に計約6500万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしました。原告弁護団によると、事故収束作業と発がんの因果関係を争う裁判は全国で初めて。
他の2社は、元請けの大成建設(東京)と下請けの山崎建設(同)。
訴状によると、男性は2011年7〜11月の間、福島第1原発で重機作業に従事。12年6月にぼうこうがん、13年3月に胃がん、同5月にはS状結腸がんが見つかりました。
男性は13年8月に富岡労働基準監督署(福島県)に労災を申請しましたが、今年1月に不支給となり、福島労働局に審査請求を行いました。
男性の被ばく線量は累積で56・41ミリシーベルトでしたが、実際は線量計を着けずに屋外で作業したことがあり、被ばく線量は国ががんとの因果関係認定の目安とする累積100ミリシーベルトを超えたと主張しています。
(「しんぶん赤旗」2015年9月3日より転載)