関西電力は8月5日、新規制基準に「適合」したとする高浜原発3号機(福井県高浜町)について、再稼働に必要な使用前検査を申請しました。
関電によると、10月に核燃料を原子炉内に搬入し、11月上旬以降の起動を目指すとしています。高浜原発3、4号機は今年4月、福井地裁から運転差し止めの仮処分決定を受けており、決定が覆られない限り再稼働はできません。
しかし、関電は、核燃料を原子炉に装荷して行う検査は、仮処分が決定した「運転してはならない」に当たらないといいます。ただ、実際に燃料を入れるかどうかは「裁判の状況と、地元の理解を踏まえて判断したい」としています。
4月に福井地裁が行った仮処分決定は、原子力規制委員会が策定した新規制基準は「緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」と指摘したもの。関電は取り消しを求めて、福井地裁で異議審の審理中。5月に第1回審尋が開かれ、11月13日まで期日が指定されています。
核燃料集合体のハンドル部変形・・福島第1の3号機
東京電力は8月4日、福島第1原発3号機の使用済み燃料プールに保管されている核燃料集合体4体で、引き上げる際につかむハンドル部が変形していたと発表しました。
4体は、2日にがれきとして撤去された約20トンの燃料交換機の下にあり、東電は2011年の事故発生時に燃料交換機が落下した際、変形した可能性があるとみています。
東電によると、4日午前9時5分ごろ、3号機プールに投入した水中カメラでハンドル部に傾きなどの変形があることを確認。水中の放射性物質濃度に大きな変動はなく、撤去作業による燃料損傷はないといいます。
(「しんぶん赤旗」2015年8月6日より転載)