東京電力福島第1原発で放射能汚染水の増加を抑制するために建屋周囲の井戸(サブドレン)などから汚染した地下水をくみ上げて処理した後に海に放出するという東電の計画に、漁業関係者ら地元の理解が得られていない状況について、政府の担当者が7月1日、合意を待てない可能性もあるという認識を示しました。
同日に開かれた原子力規制委員会の検討会で、資源エネルギー庁・事故収束対応室の新川達也総括調整官が「地下水流入でタンクが日々圧迫している状態がある。いつまでもサブドレンの合意を待つということは難しい場面が、いつかくるかもしれない」と述べました。
一方、規制委の更田(ふけた)豊志委員は「住民や漁業関係者の意思を無視してターゲットデー(目標の期日)を設定することはできない」という考えを示しました。
この問題をめぐっては、東電が、汚染地下水の処理後の移送先をあいまいにしたまま計画を進めたことや、相次ぐ汚染水漏れ事故、汚染水の海への流出データを隠していた問題が発覚するなど国と東電への信頼が失われ、漁業関係者らの理解が得られていません。
川内原発燃料 7日に挿入へ
原子力規制委員会は7月3日、九州電力川内原発1号機(鹿児島県)の再稼働に必要な使用前検査が一部終了し、原子炉に燃料を搬入できる状態になったことを明らかにしました。九電は7日に燃料を入れる計画です。
(「しんぶん赤旗」2015年7月4日より転載)