東京電力福島第1原発事故の影響でほぼ全域に避難指示が出ている福島県楢葉町の指定解除をめぐり、政府主催の住民懇談会が6月19日、同町で始まりました。
政府は改めて「お盆前」に解除したい意向を提示しましたが、参加した住民からは「生活環境が整っていない」「お盆前の解除は唐突すぎる」などの反対が相次ぎました。
懇談会は28日までに計8回開催される予定。住民からの意見を踏まえ、政府は解除の可否などを判断します。
19日は会津美里町でも開かれました。
懇談会には住民計約100人が参加。無職の森田省一さん(65)は「今回の発表は唐突で頭ごなしの感が否めない」と批判。永山和平さん(83)は高齢者の中には車を運転できない人もいるとして、「医療や介護施設が整備されていない段階で、解除されるのは不安。われわれ老人が安心して帰れるまで延ばしていただきたい」と訴えました。
17日に行われた町議会全員協議会などで、政府は生活再開できる環境が整備されたとして「お盆前」の避難指示解除方針を示しました。しかし、町議らからは「安心して住める状況になく、解除できる環境は整っていない」などの意見が出ていました。
(「しんぶん赤旗」2015年6月20日より転載)