東京電力福島第1原発で汚染水の放射性物質を大幅に減らす浄化装置「ALPS」(アルプス)の増設3系統が何らかのトラブルで停止した問題で、東電は6月13日、2系統で処理運転を再開したと発表しました。処理水をためるタンクの水位計のプログラム変更が影響したとみており、変更前の状態に戻しました。残り1系統の再開時期は未定。
東電によると、処理水をためるタンクの水位は監視室の記録計で確認できていましたが、利便性向上のため、11日午前、画面モニターでも確認できるよう計測器のプログラムを変更しました。その後、午後2時50分ごろに電気系統で異常が発生し、同4時55分ごろ、増設ALPSの運転が停止しました。
東通・女川原発 17年4月以降に・・東北電力発表
東北電力は6月12日、東通(ひがしどおり)原発1号機(青森県東通村)と女川原発2号機(宮城県石巻市、女川町)の再稼働時期について、これまで想定していた2016年春から17年4月以降に延期すると発表しました。再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査が長期化する中、追加の安全対策を講じるためとしています。
東北電は13年12月に女川2号機、14年6月に東通1号機の審査を原子力規制委員会に申請。今回、自動消火設備を新たに設置したり、非常用発電機の燃料となる軽油の貯蔵タンクを地下に埋める追加工事を実施します。
(「しんぶん赤旗」2015年6月14日より転載)