東京電力福島第1原発で、移送中の放射能汚染水がホースの破損箇所から漏えいした問題で、汚染水が過去に漏えいがあった地下貯水槽に残った高濃度の汚染水などであり、その移送計画について規制庁は漏えい後に東電から報告を受けたことが分かりました。6月3日の原子力規制委員会の定例会合で報告されました。
規制庁によれば、今回漏れた汚染水の約3分の2は、2013年に高濃度汚染水の漏えいがあった地下貯水槽にためていたもの。ノッチタンクと呼ばれる容量1000トンのタンクに保管され、ほかに貯水槽周辺の汚染された地下水も混ざっていました。タンクの水位が高くなったことから、3号機タービン建屋へ移送していました。
しかし、移送に使った今回のホースは通常、汚染された雨水を処理したものの移送に使っていたといいます。
規制庁は、今回の移送計画について東電から事前に説明はなく、漏えい発覚後に初めて知らされたとしています。
一方、穴が開いて漏えいが発覚したホースは13年10月に設置。漏れる危険を認識していたものの、定期的な点検をしませんでした。
田中俊一委員長は「(定期点検しないなど)かなり罪が重い。東電のマネジメントがまったくできていない」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2015年6月4日より転載)