2030年の日本の温室効果ガスの排出量について、経済産業省と環境省合同の有識者会議が4月30日開かれ、両省から日本の削減目標を「13年比26%削減(05年比25・4%削減)」とする要綱案が示されました。
内訳は、経産省が28日に提示した電源構成(エネルギーミックス)案に基づき、エネルギー起源の排出量削減が21・9%、代替フロン類などの削減量が1・5%、森林などの吸収分2・6%です。
両省は「国際的に遜色ない野心的な目標」と強調しました。しかし、今回の目標は、京都議定書の基準年である1990年比に換算すれば18%程度の削減にとどまります。「26%」となるのは、過去2番目に排出が多かった13年に基準年を変えたためです。
すでに欧州連合(EU=28カ国)は、「30年までに90年比で、少なくとも40%削減」、米国は「25年までに05年比で26~28%削減」を掲げています。
有識者会議では、産業界の委員から要綱案を評価する声が出る一方、「なぜいま基準年を動かすのか」「2050年に80%削減とする日本の長期目標との整合性はどう取るのか」「温暖化に対する危機感が感じられない」などの意見も出されました。
要綱案は、今後政府案としてまとめられ、パブリックコメント(国民からの意見募集)にかけられる予定です。
(「しんぶん赤旗」2015年5月1日より転載)