東京電力福島第1原発事故の作業員の健康管理に関する厚生労働省の専門家検討会は4月17日、原発で重大事故など緊急事態が発生した場合の作業員の被ばく限度を、現在の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに引き上げるべきだとする報告書をまとめました。
福島第1原発では事故直後、100ミリシーベルトでは対応が不可能として、特例で250ミリシーベルトに引き上げられていました。厚労省は労働政策審議会と原子力規制委員会の放射線審議会に諮問した上で、秋までに省令を改定する方針。
報告書は、緊急時には被ばく限度を250ミリシーベルトに引き上げられるとしましたが、対象はあらかじめ労働契約を結んだ作業員に限り、知識や技能について特別な教育を受けさせる必要があるとしました。
福島第1原発事故の緊急作業で100ミリシーベルトを超えた作業員174人については、生涯で通算1シーベルトを超えないよう、事業者に5年ごとの被ばく限度を個別に設定させ、管理するべきだとしました。
このほか、緊急作業中の作業員の健康診断や、原発事故に即応できる医師、看護師らのネットワーク構築なども進言しました。
格納容器の水面初確認・・ロボットが撮影
東京電力は4月17日、福島第1原発1号機の格納容器に投入した2台目のロボットが撮影した動画を公開し、核燃料が溶け落ちたとみられる底部に水がたまっている様子を初めて映像で確認しました。水面の高さは底部から約2・8メールと推定され、温度などから予測していた値とほぼ一致するといいます。
東電によると、2台目のロボットは15日に投入され、格納容器1階部分を半周。10日に投入され回収不能になった1台目のロボットの反対側を走行して調査しました。
1台目の時と同様に、映像からは格納容器内の機器や配管などに目立った損傷は見つかりませんでした。下にカメラを向けると、ロボットのライトが水面で反射して揺らぐ様子が映りました。
東電は18日以降も口ボットで調査を続行。1台目が到達できなかった場所の調査を試みる予定です。
(「しんぶん赤旗」2015年4月19日より転載)