原発からおおむね半径30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)にある小中学校や幼稚園など全国19道府県の2382校について、文部科学省が調べたところ、原発事故を想定した避難訓練を実施しているのは約32%の760校にとどまっていることが4月3日までにわかりました。
学校の安全対策の状況を2年に1度調べる同省の調査で、原発の避難訓練などの調査は初めて。
それによると、昨年3月末時点で、原発事故を想定した避難訓練を実施している学校は31・9%の760校でした。うち高校(20・5%)や幼稚園(23・6%)で低いことがわかりました。また、公立学校(34・4%)と私立学校(14・2%)で差がありました。
道府県別の公立学校では北海道、石川県、佐賀県が100%だった一方、調査時点で青森県が0%、静岡県が2・4%、新潟県が3・6%にとどまっていました。
また、原発被害を想定した危機管理マニュアルを策定している学校は1593校、約66・9%で、うち幼稚園では44・8%、半数以下でした。
原発の避難計画は自治体任せで、第三者が計画の実効性を検証する仕組みがないなど、国の責任があらためて問われています。
(「しんぶん赤旗」2015年4月4日より転載)