東京電力は2月2日、福島第1、福島第2、柏崎刈羽原発で作業員の死亡事故などの重大な人身災害が1月19、20日に相次いだ問題で臨時会見を開き、原因と対策について公表しました。そのなかで、福島第1での過去の対策に、人身災害撲滅の取り組みの不足や教訓の活用に弱さがあったことなどを認めました。
福島第1では1月21日からほとんどの作業を中止していましたが、対策が終了した392件の作業について3日から再開します。事故収束にむけた作業スケジュールが、当初予定より半月から1カ月程度遅れる見込みだといいます。
東電は今回、(1)意識(2)手順(3)設備の観点からの現場や手順書の確認、作業員らによる事例検討会、経営幹部による現場確認を実施。事故の原因と背景、対策をまとめました。
福島第1でタンク上部から作業員が落下して死亡した事故の直接原因については、天板部のマンホールのフタが落下する可能性がある構造だったことを明らかにしました。昨年夏に起こったフタの落下事故の水平展開が不十分だったとしています。一方、タンク上部に上がるのは予定外作業であるにもかかわらず、現場に居合わせた社員らに、死亡した作業員を制止する発想がなかったことも指摘しました。
福島第2で作業員が器具に頭部を挟まれて死亡した事故では、作業ルールの不徹底とともに、器具の構造そのものの危険性に言及しました。
(「しんぶん赤旗」2015年2月3日より転載)