福島第1原発では現在、溶融した燃料を冷やすための原子炉注水と地下水の流入によって、タービン建屋地下などにたまった高濃度の放射能汚染水が日々増え続けています。
現在、セシウムを除去した後の、高濃度の放射性ストロンチウムやトリチウム(3重水素)を含む汚染水(濃縮塩水)がタンクに27万トン強(2015年1月22日現在)たまっています。濃縮塩水は、62種類の放射性物質を低減する多核種除去設備(ALPS=アルプス)で処理して、トリチウム以外の放射性物質を基準以下の濃度まで取り除くとしています。
ところが、ALPSは試運転開始以来トラブルが続出し汚染水処理が難航。東京電力は既設アルプスに加え、増設アルプス、国の予算を投じた高性能アルプスを新たに設置しました。しかし、日々増える汚染水とタンクにたまった濃縮塩水を今年度末までに全量処理するという目標に追いつかない状況です。
一方、東電は、濃縮塩水からストロンチウムを取り除く装置を導入しましたが、処理後にALPSで処理する必要があります。
(「しんぶん赤旗」2015年1月24日より転載)