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高浜原発 再稼働ありき 事故対策・避難計画なしでも「適合」規制委判断に怒りの声

高浜原発を視察する、藤野やすふみ新・衆議院議員(2014年11月30日)
高浜原発を視察する、藤野やすふみ新・衆議院議員(2014年11月30日)

 原子力規制委員会は12月17日、関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働の前提となる原発の新しい規制基準に「適合」したとする「審査書案」を了承し、30日間の意見募集を行うことを決めました。審査書案が示されたのは7月の九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)に次いで2件目。「再稼働ありきの結論は許されない」と地元などから怒りの声が上がり、各地で抗議行動が起きています。


川内に続き2例目

 審査は放射能が漏れるのを前提としながら、住民の避難計画は審査の対象外にするなど重大な課題は置き去りです。

 審査書は、高浜原発で考慮すべき最大の地震動は700ガル、敷地内での最高津波高さは6・7メートルとしています。また、過酷事故(シビアアクシデント)が起きた場合、最短19分で炉心が溶融し、1・5時間後に原子炉圧力容器が破損するとしています。環境中に放出されるセシウム137は4兆2000ベクレルと試算しています。

 ただ、今回の高浜原発3、4号機の審査は、同じ敷地内の1、2号機の炉心に核燃料が装てんされていないことが前提。事故時の対応拠点としての免震事務棟が建設中で、1、2号機建屋が緊急時対策所になるためです。

 関電は1、2号機の40年を超える運転延長をねらう特別点検を実施しており、3、4号機と合わせ1または2号機を運転する場合、再度審査を行う必要があります。

 また高浜原発3、4号機は、MOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料を用いる「プルサーマル発電」を前提にしています。

 規制委は、意見募集後、審査書を確定し、設置変更許可を出す予定。高浜原発の場合、避難計画の策定が義務付けられる30キロ圏内には福井県だけでなく、京都府、滋賀県が含まれ、「地元同意」の手続きも今後、問題になります。

 審査にはこれから、工事計画、保安規定の認可も必要です。また、運転前には使用前点検が行われます。


再稼働阻止へ全力 藤野新衆院議員

 「原発ゼロ」を訴え北陸信越ブロックで初当選した藤野保史・新衆院議員(党原発・エネルギー対策委員会事務局長)は、次のように語りました。

 「規制委員会が出した『審査書案』は、高浜原発の再稼働という結論先にありきで、事故対策、地震や活断層、避難計画などまともな検討もなく出されたものです。これをてこに再稼働をすすめることは許されません。総選挙でえられた原発ゼロの議席をいかして、住民のみなさんと力を合わせて再稼働阻止に全力をつくします」

(「しんぶん赤旗」2014年12月18日より転載)

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