東京電力は3月28日、福島第1原発で建物の基礎部分の補修作業をしていた作業員が土砂の下敷きになり、死亡したと発表しました。同原発の事故収束に当たっている作業員が死亡したのは7人目。
東電によると、死亡したのは下請け会社の50代男性作業員。事故現場は、固体廃棄物貯蔵庫にある空コンテナ倉庫付近。地震で傷んだ建物の基礎部分を補修するため、建物周辺に深さ約2メートルの穴を掘り、そこに入って作業していたところ、コンクリートのかたまりと土砂が崩れ落ちて下敷きになりました。現場周辺に当時15人の作業員がおり、近くにいた作業員によって助け出されました。
事故発生は同日午後2時20分ごろ。作業員は約40分後に所内の救急医療室に運ばれましたが、意識はなく心静止の状態でした。同3時26分にいわき市の磐城共立病院にむけて救急車で搬送。同病院で同5時22分に死亡が確認されました。
東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は会見で「大きな事故が起こり、大変残念だ。廃炉にともなう人身災害では初めて(の死亡事故)」と述べました。警察が現場の状況確認や聞き取りなどを行っており、要因や反省点についてはこれからだとしています。
工事の元請けは、東電の子会社「東双不動産管理」。現場は1、5号機間の西側にある建物で、東電は廃棄物類の貯蔵場所として今後使用する計画でした。