福島第1原発の高濃度放射能汚染水から放射性物質を除去する多核種除去設備(ALPS)のB系統で9月26日に炭酸塩が漏出し、運転停止している問題で東京電力は29日、仮復旧まで少なくとも1カ月、本格復旧には2カ月程度かかると発表しました。トラブル続きで本格運転に入れないALPSの不安定性があらためて露呈し、来年3月までの汚染水全量処理への影響が懸念される事態です。
ヨウ素剤を住民に配布・・伊方・玄海原発
四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)と九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の半径5キロ圏の住民を対象に、原発事故に備え被ばくを低減させる安定ヨウ素剤が9月28日、事前配布されました。
伊方町の配布対象は3歳以上の住民5494人のうち、事前説明会や医療機関での問診で服用しても問題なしとされた約2800人。愛媛県と伊方町はこの日、受け渡し場所に来た1881人に配布、保健師が服用方法などを改めて説明しました。
一方、玄海原発5キロ圏内にある唐津市呼子町の殿ノ浦西地区では、住民705人を対象に事前配布説明会を開催。131人が出席し、家族分を含む248人分が配られました。年内に残り38地区でも説明会を実施するなどし、圏内の全住民8299人に安定ヨウ素剤を行き渡らせるといいます。
国の原子力災害対策指針は、原発から半径5キロ圏内の住民について、事故が起きた場合すぐにヨウ素剤を服用できるよう、事前配布しておくと定めています。
(「しんぶん赤旗」2014年9月30日より転載)