国際環境団体グリーンピースは、戦闘が続くウクライナ東部に近い原子力発電所で重大事故の危険があると警告しました。ドイツ紙ウェストドイチュラント・アルゲマイネ・ツァイトゥング(電子版)が8月30日伝えました。
グリーンピースの原子力専門家トビアス・ミュンヒマイヤー氏によると、旧ソ連時代にチェルノブイリ原発事故を経験したウクライナでは現在、4ヵ所の原発で15基の原子炉が稼働中。そのうち戦闘地域から200キロ以内のザポリージャ原発は欧州最大、世界でも第3位の規模の原発で、原子炉6基でウクライナ国内の総電力の5分の1を発電しています。
6基は旧ソ連時代に建造された加圧水型原子炉。同型炉には一部格納容器のないものもあります。同氏は、周辺地域にはコンクリート壁を貫通する能力のある対戦車用兵器が多数存在していると指摘。さらに変電所や送電網への攻撃が行われた場合には、原発の冷却システムが機能不全に陥った福島第1原発での電源喪失のような重大事故も起こりうると指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2014年9月3日より転載)