福島第1原発のタービン建屋から海側に伸びる配管トレンチ(電源ケーブルなどが通る地下トンネル)にたまっている高濃度放射能汚染水を抜き取るため、汚染水を凍結、止水する工事が3ヵ月たっても難航している問題で、東京電力は8月19日、氷の投入だけでは止水が難しいとして、凍らない部分を埋める充塡材を9月中旬以降に投入する新たな方針を示しました。原子力規制委員会の専門家検討会で明らかにしました。
しかし、専門家からは「典型的な泥縄式のアプローチだ」「凍結工法は果たして有効なのか」など批判や疑問が相次ぎました。
東電はトレンチと建屋の接合部に凍結管を入れて汚染水を凍らせて壁を造り、汚染水の行き来を止める工事を4月下旬から行ってきました。しかし、一部が凍らない状態が続きました。このため、7月から今月18日まで計約410トンの氷と約5トンのドライアイスを投入しましたが、依然、凍結に至っていませんでした。
(「しんぶん赤旗」2014年8月20日より転載)