東京電力福島第1原発から20キロ圏内で避難指示解除準備区域に指定されている福島県川内村東部について、政府は8月17日に開催した住民懇談会で、10月1日に避難指示を解除する方針を示しました。住民からは、放射線量が依然高いことから再除染を求めるとともに解除に反対し、先送りの要望が出ています。

　原発から20キロ圏内の旧警戒区域での避難指示解除は、同県田村市都路地区に続き2例目となります。

　20キロ圏内の居住制限区域についても、避難指示解除と同時に準備区域に再編する方針を提示しました。

　懇談会では冒頭、赤羽一嘉経済産業副大臣が①現在実施されている帰還準備のための長期宿泊終了後の8月26日に解除する②道路の舗装改修工事などが9月に終わることから10月1日に解除する・・の2案を提示しました。

　これに対し、参加した住民は「乳飲み子を抱えては帰れない」などと放射線に対する健康不安などを訴え、解除そのものに反対。ただ、遠藤雄幸村長は、解除が帰還を強制するものではないとして、「10月1日解除」案の受け入れを表明しました。

　福島第1原発20キロ圏内の川内村東部は2012年4月に立ち入り禁止の旧警戒区域が解除され、日中の立ち入りが可能な避難指示解除準備区域と居住制限区域とされました。今年に入り、政府は7月、同月26日の解除を提案しましたが、住民などからの反発を受け、見送っていました。同地区の6月1日時点の人口は、準備区域が139世帯275人、居住制限区域が18世帯54人。

（「しんぶん赤旗」2014年8月18日より転載）