世界平和アピール7人委員会は7月18日、九州電力川内(せんだい)原発が新規制基準に適合しているとする審査書案を原子力規制委員会が了承したことに対し、「原発再稼働の条件は整っていない」とするアピールを発表しました。
アピールは、同原発で事故が起きた際に対策拠点となるオフサイトセンターの改修完了は来年(2015年)3月であり、規制委が工事完成の確認をしないまま審査の結論を出したことについて「責任を持って審査をしなければならない権限を放棄している」と批判しています。
さらに、基準を満たしたからといって、住民の避難計画や放射性廃棄物の処理方法など重要な問題を「権限外」として検討すらせず、日本で原発が計画された時から問題とされてきたこれらの未解決の課題を「これ以上積み残しにして先に進むことは許されない」としています。
審査によって原発の安全性が保証されるわけではないにもかかわらず、「原発再稼働の条件が整ったかのようにすり替えて喧伝(けんでん)する政府、電力会社、財界などの姿勢は完全な誤りである」とのべています。
(「しんぶん赤旗」2014年7月19日より転載)