東京電力福島第1原発で昨年(2013年)8月に行われたがれき撤去作業で放
射性物質が飛散し、20キロ以上離れた福島県南相馬市の水田を汚染した可能性があることが7月14日までにわかりました。国と東電はこのことを公表してきませんでした。東電は、今後も飛散の恐れを伴う作業を行う予定で、抜本的対策や情報公開が求められます。
同原発3号機原子炉建屋上部で、昨年8月12日に天井クレーン関連設備の切断・撤去、19日にがれきの集積・撤去作業が行われました。この両日、構内の
ダストモニターで放射能濃度が高いことを示す警報が鳴り、作業員12人の身体汚染が明らかになりました。
同年秋、南相馬市で収穫されたコメから基準を超える放射性セシウムが検出され、コメは処分されました。農林水産省は今年3月、がれき撤去作業が原因
である可能性があると東電に指摘し、防止策を要請していました。
東電は今後、高線量のがれきが残る1号機原子炉建屋を覆うカバーをはずし、建屋上部のがれきを撤去する作業を予定。作業時には飛散防止剤を散布するとしていますが、飛散防止の抜本的対策としては疑問が残ります。
東電は14日の会見で、がれき撤去作業について事前に発表するかどうかは「検討したい」としました。
(「しんぶん赤旗」2014年7月15日より転載)