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福島第1、地下水バイパス用井戸・・基準超え最悪値更新

14-06-19zu 福島第1原発の地下水バイパス計画で、海に放出するためのくみ上げ用井戸から採取した地下水から、放出基準を超えるトリチウム(3重水素)が検出される事態が続いています。東京電力は6月18日、過去最高値を更新する1リットル当たり2000ベクレルを検出したと発表しました。放出基準は同1500ベクレル未満。

 問題の井戸は12本ある井戸の最南端。130メートルほど上流側には、昨年8月に高濃度の放射能汚染水が漏れたタンク群があります。この井戸では以前から、他の井戸と比べて突出して高いトリチウム濃度が検出されており、海への放出を開始した5月21日以後も基準値を超える状況が続いています(←グラフ)

 東電は、12本の井戸でくみ上げた水を一時貯留タンクにためて、基準値を下回れば海に放出する方針。一つの井戸で基準値を超えても、他の井戸の地下水と混ざり薄まれば放出できるしくみです。同1700ベクレルが検出された後、5月27日から一時、この井戸のくみ上げを停止しましたが、タンク内の水が基準値を超えないとして6月12日にくみ上げを再開し、その後も継続しています。事実上、基準値を超えた汚染水を薄めて排出する運用となっており、そうしたあり方の是非が問われる事態です。

  一方、この井戸の隣の井戸でもトリチウム濃度が急上昇し、12日採取分で同530ベクレルと最高値を更新するなど、地下水汚染の拡大も懸念されます。今後も汚染が深刻化すれば計画の前提が崩れます。

 地下水バイパス計画は、原子炉建屋地下などへの地下水流入による高濃度の放射能汚染水の増加を抑制するために、建屋の山側で地下水をくみ上げて海に流す計画。14日までに5回、計5041トンの海洋放出を実施しました。

(「しんぶん赤旗」2014年6月19日より転載)

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