日本共産党の井上哲士議員は4月2日の参院原子力問題特別委員会で、福島第1原発で汚染水トラブルなどが相次ぐ背景に事故対応の基本姿勢問題があると指摘し、原子力規制委員会による再稼働審査の中止を求め、汚染水と廃炉対策に全力を注ぐよう東京電力に迫りました。
井上氏は、タンクからの汚染水もれやアルプス(多核種除去整備)故障の際に、異常の警報がありながら誤作動とみなし、対応が遅れたことを示し、「東電に原発の安全な運転などできるのか」とただしました。田中俊一規制委員長は「さまざまなトラブルが人や環境に影響を与えないことが安全対策の眼目であると東電に伝えた」と答えました。
井上氏は、トラブルの背景に労働者の士気低下が指摘され、低下の原因の一つとして過酷な条件の中で働く現場労働者に支給される「危険手当」が中間業者にピンハネされている問題を取り上げました。
東電実施の調査でも受け取りは51%にとどまり、手当のない人もいて労働者の中では不満が蓄積しています。東電は昨年(2013年)11月に手当の増額を発表しました。広瀬直己東京電力社長は「マスクの作業はいくら、ボンベはいくらと手当の積算をしている」と答弁。井上氏は「具体的金額を明らかにし現場労働者にしっかり届くようにするべきだ」と求めました。