東京電力は5月15日、福島第1原発3号機原子炉建屋1階で、原子炉を覆う格納容器につながる配管の一つから水が漏れているのを確認したと発表しました。3号機で格納容器の漏水箇所が確認できたのは初めて。漏れた水は大量の汚染水がある建屋地下に流れているとみられます。東電は漏水量などを詳しく調べ、止水方法を検討します。
東電によると、水が漏れていたのは3号機原子炉建屋の主蒸気隔離弁室にある主蒸気配管の継ぎ目付近。放射線量が高く近づけないため上部からカメラを入れたところ、配管から鉛筆2〜4本分の幅の水が流れ、床にたまっていました。この部屋では1月、扉の外側で床にたまった水が排水口に流れているのを確認していました。
主蒸気配管は、原子炉で発生させた蒸気をタービンに送る太い配管。破損箇所は特定できていないといいます。
第1原発1〜3号機では、原子炉内で溶け落ちた核燃料を冷やした水が高濃度汚染水となって格納容器から漏れ、地下にたまっています。3号機では、核燃料を冷やすために毎時4・4トンの水が注水されています。
核燃料を取り出すには漏水を止めて原子炉内を水で満たし、強い放射線を遮る必要があり、東電は漏水箇所の調査を進めています。
昨年(2013年)11月には1号機でも、格納容器につながるベント管周辺で水
の漏えいを確認しました。2号機は同3月、ベント管周辺を調査していますが、水漏れ箇所は見つかっていません。
(「しんぶん赤旗」2014年5月17日より転載)