東北電力東通(ひがしどおり)原発(青森県東通村)敷地内の破砕帯(断層)が活断層である可能性が高いと指摘されている問題で、現地調査を行った原子力規制委員会の調査チームの評価会合が4月18日開かれ、東北電力から意見を聞きました。2月に同チームは、「活断層の可能性が高い」とする評価書案を示しています。
東北電力は敷地内の断層は活断層ではないと従来の主張を繰り返しましたが、同社の主張を認めた旧通商産業省と経済産業省の判断(1998、2010年)について、規制委の島崎邦彦委員長代理は「われわれの議論の方向は、この評価を変えるものだという認識だ」と述べました。
次回の会合で改めて評価書案を議論するとしていますが、大枠は変わらないとみられます。
岩石化
東北電力は、調査チームが活断層と指摘した断層は「固まっており、岩石化している」と説明し、最近動いた跡でなく、活断層ではないと主張。これに対し、島崎氏は「固まることで、むしろ破壊を誘引する要因になる。注意する必要がある」と述べ、活断層を否定する根拠にならないと指摘しました。
また敷地内の断層が連続していると指摘された点について東北電力は、地層のずれが連続する断層はないなどと否定。これに対し、調査チームの専門家から「データがない箇所もあり、アンフェアな評価。安全側に立てば、見方がおかしい」と反論しました。
膨潤説
さらに東北電力は、敷地内で変位が見られる断層は、粘土鉱物が水分を含んで膨らんだとする「膨潤」説で説明が可能だと主張しましたが、専門家の疑問に答えられませんでした。
調査チームの評価書案では、重要施設の非常用取水路直下にある「f―1」などの断層についても「さらなる検討が必要」としており、島崎氏は改めて「f―1などの延長部をもっと調べてもらいたい」と求めました。